初夏になると、短い期間で出回る杏。
ご家庭では、完熟をそのまま食べたり、それ以外でもシロップ煮や、ジャム、ドライフルールにと色々活用できますよね!
先日、知人から旬の杏をたくさんいただいたのでジャムもいいけど折角の立派な杏、形も生かしたいと思い、初めてシロップ漬けを作ってみました。
が、できあがったのがとても酸っぱい!
食べられなくはないけれど、数食べるのはちょっと無理…。
レシピ通りに作ったのに、どうしてだろう?と首をひねっておりました。
ですが、どんなに首をひねってもそのままでは改善しません。
そこで調理師の知人に相談してみました。
その結果、酸っぱくなってしまった理由と簡単な改善策としてジャムにしたので、そのレシピもあわせてご紹介します。
杏のシロップ漬けが酸っぱい!どうして?
杏のシロップ漬けと聞いて思い至るのは、風邪をひいたときなどに食べた桃缶のようなソレですよね。
風邪の時はもちろん、アプリコットタルトに使われていたりと、結構口にすること多いのではないかと思います。
ほんのり甘酸っぱく、シロップと食べるととても美味しかったのを思い出します。
それを思い浮かべながら、この夏はそれが思う存分楽しめる~とホクホクしながら、シロップ漬けを作ったのですが、できあがったものは固く酸っぱいものでした。
レシピ通りのはずなのに、なぜ?
杏のシロップ漬けレシピは?
まずは私が使用したレシピを紹介します。
ネットで調べ、いくつか組み合わせてのレシピです。
●材料:杏 2㎏
砂糖 60g
水 700mℓ
①あんずをきれいに水で洗って、水っけをしっかり切る。ペーパータオルなどで残った水を拭き取る。
②半割にして、種を取る(皮はむかなくて大丈夫)
③煮沸消毒した瓶に、なるべく隙間ないようにあんずを詰める
③砂糖と水を沸かし、3分ほど沸騰状態にする。その熱い状態のままあんずを詰めた瓶にそそぐ。
④蓋をし、粗熱がとれたら冷蔵庫で保管。
⑥3~4日経ったら味がなじみ、美味しくいただけます。
以上になります。
手順も少ないし、これは簡単!と思って作ったのですが、結果は…。
杏の酸っぱくなった理由
調理師の知人に相談して、結果思い至る点として。
①あんずの種類が違う
今回のあんずは、あんずと梅をかけあわせた「八助」という品種です。
こちら一粒で80g前後あり、良く出回っている品種の平和や昭和などが40~60g前後なのを考えるとだいぶ大きいです。
そのため、一般的なレシピとは勝手が違う、また浸透しにくいという部分があったのかもしれません。
②砂糖の量が少ない
こちらのレシピ、砂糖の量が他と比べてもかなり少ない量です。
酸っぱいと分かった後、色々比較してみたのですが、他のレシピだと杏の重量の30%前後から半分くらいというのが多いようで、甘さ控えめとあっても25%くらいでした。
このレシピの分量だと杏の重量に対して、3%しかありません。
シロップを作った際、ちょっと舐めてみたのですが、あっさりな甘さで本当に大丈夫なのかな?と思ったものでした。(そこで一度止めたらよかったんですよね)
調理師の知人曰く、シロップ漬けとするのでしたら、杏の重量の最低でも25%~、保存を効かせたいなら60%くらいでも可とのことでした。
酸っぱい杏シロップ漬けの簡単リメイク
そんなこんなで、酸っぱい杏シロップ漬けが2㎏分、私の目の前にあります。
砂糖が少ないので、冷蔵庫にいれていても保存期間は短いし、それまでにすべて食べるのは至難の業です。
もう一度シロップを作りなおして、漬けなおす?
いやいや、杏をとりだしてまた詰めて、シロップを作りなおして注いでって、結構手間です。
しかも、今回全量入る瓶がなかったので、瓶を小分けにしたので、手間はもっとかかります。
しかしこのまま廃棄はとてもじゃないけど、もったいない。
そんな時は、ジャムにするのが一番です!
杏ジャムへリメイク 簡単レシピ
失敗してしまった杏シロップ漬け。
早速ジャムへリメイクしていきます!
レシピは知人からのアドバイスからになります。
材料:今回失敗した杏シロップ漬け
砂糖 重量の30%ほど
☆今回失敗した杏のシロップ漬けは、正確な重さは測っていませんが、最初2㎏で種を取ったり処理したりでざっと1.8㎏強ほどとみました。そのため、用意した砂糖(グラニュー糖)は540gです。
ジャムの場合、実の重量の最低でも30%~40%以上いれないとペクチンができず、ジャムになりません。今回は多少でもシロップに浸っていたこともあって30%でやってみました。
①杏と砂糖半分ほどを鍋にいれる。
②弱めの中火にして、杏と砂糖を混ぜ合わせる。
③杏のかたちが崩れ、とろっとしてくるまで煮込む。どんどん焦げやすくなるので、注意です!このあたりであくが出てくるので、丁寧に取り除く。
④残してあった砂糖もいれる。
⑥その間に、瓶を煮沸消毒しておく(今回私の作った分量だと、700㎖のガラス瓶に2つできました。)
⑦トロっとしてきて、透明感がでてきたら、一度コップに水をいれてジャムを落としてみる。水に溶けていくようならもう少し、溶けずに沈むようならそこで火を止める。
⑧熱いうちに、瓶詰めする。入れる分量は7分ほど。
⑨深めの鍋に、お湯を沸かし、ふきんなどを沈み込ませてその上に瓶を置く。お湯の量は半分から肩口にならない程度の間で。そのまま沸騰させて脱気する。軽くふたを閉めて再度加熱、脱気して蓋をきっちり閉める。
(このあたりの殺菌方法については後日、詳しくまとめたいと思います)
☆レシピによっては、弱火でくつくつ気長に煮込むのもありますが、杏の場合は焦げないようにしっかり混ぜながら、中火くらいで短時間煮込むのが良いようです。長く煮込むと成分等も煮詰まっていくということでもあるので、酸味も凝縮されて強くなるようです。
☆煮ているときに、ちょっと味見して、酸っぱさなど確認してみて下さいね。まだ酸味が強いようでしたら、砂糖を追加で。
また、えぐみを感じる場合もあるかもしれません。これは杏特有のモノのようです。しっかり消毒殺菌したものを長期置いて熟成させたら、えぐみがなくなったという声がありました。
ちなみに、我が家のジャムはほどよく酸っぱく、イイ感じになってくれました。
ちょっと食べた後にえぐみを感じるので、すこし時間をおいて熟成させてみます。
まとめ
今が旬の杏。
杏のシロップ漬けを食べたーいと、作ってみたけど、すっごく酸っぱい!
このショックから、杏の事やレシピ等々調理師の知人に聴いたり、ネットでも色々調べてみました。
やはり一番のポイントは砂糖の量です!
保存食づくり初心者さんだと、びっくりするくらい砂糖を使いますよ~。
現在別レシピでシロップ漬けの再挑戦をしています。
まだ熟成中のため、成功しているかは不明なのですが、今度こそ!
成功したらそのレシピやポイントをアップしたいと思います。